fbpx
「狭心症の種類とは。代表的な5種類の狭心症とその症状についてのまとめ。」のアイキャッチ画像
「狭心症の種類とは。代表的な5種類の狭心症とその症状についてのまとめ。」のアイキャッチ画像

狭心症の種類とは。代表的な5種類の狭心症とその症状についてのまとめ。

Share

狭心症について調べると、労作性狭心症、冠攣縮性狭心症、安定狭心症……などのさまざまな名称があり、そんなにたくさんの狭心症の種類があるのかと驚くかもしれません。

狭心症は、冠動脈が狭くなることによって心筋へ十分な血液が届かないときに発作が起こる病気です。

原因としては、それに尽きますが、発作が起こるタイミング、発作の原因となる冠動脈の状態(病態)や狭心症の経過の観点などによって細かく分類され、さまざまな名称がつけられています。当記事では狭心症の種類について、内容をまとめました。

1. 狭心症とは

冠動脈の内側が部分的に狭くなって、心筋への血液の流れが悪くなると、心臓は酸素不足や栄養不足になります。この時に胸の痛みを感じる状態が「狭心症」です。

発作の時間

狭心症の発作は通常数十秒から数分程度続きます。通常は数分~15分程度で長くても30分以内です。もし、30分以上続く場合は心筋梗塞の可能性があります。

痛みの範囲

痛みは指差せるような狭い範囲ではなく、掌をあてるほどの範囲にあらわれます。胸がぎゅっとしめつけられるような痛みのほか、胸の圧迫感、動悸や息苦しさを感じます。

激しい痛みが急激にあらわれるというよりは、徐々に痛みが強くなるのが狭心症の痛みの特徴です。

狭心症の発作が起きても、冠動脈の血流が回復し、心筋に十分な酸素が供給されるようになれば発作はおさまります。発作のとき以外には症状は見られません。

健康診断で大きな問題がなかった人が狭心症や心筋梗塞に陥ることがありますが、発作が起きているとき、または精密検査を受けないと、病気があるかどうかが分からないところがこの病気の難しいところです。

「心筋梗塞」と「狭心症」の違いって?

心筋梗塞は、ナイフで胸を刺されたような強い痛みが長時間続き、死に至ることのある病気です。それぞれの症状について、心筋梗塞をメインに狭心症との違いを「心筋梗塞の症状とは。狭心症との違いや発作の特徴など。」の記事でまとめています。気になる方は、こちらの記事もあわせてご確認ください。

2. 狭心症の分類

狭心症は、冠動脈が狭くなった部分の程度や、狭くなる原因、発作のひどさ、発作の頻度によって細かく分類されています。それぞれについて代表的なものを簡単に説明をしていきます。

2-1. 安定狭心症

発作の起きる状態が、ほぼ同じ状態の狭心症を「安定狭心症」といいます。発作の強さや回数、持続時間などが一定の範囲にとどまっている状態です。

たとえば、階段や坂道をある程度登るとか、ある程度の距離を走るなどして心臓に一定以上の負荷がかかると胸痛が起こります。休んで負担が減ると症状がなくなります。

2-2. 不安定狭心症

「不安定狭心症」は、狭心症発作の回数や程度が一定していない状態です。

以前は何も起こらなかったような軽い運動や、安静にしているときにも発作がおきます。発作の持続時間も長くなり、なかなか治まらない場合も多いです。

不安定狭心症は、近い将来に心筋梗塞へ進行する可能性が高いので、とくに注意が必要です。

2-3. 労作性狭心症

「労作性狭心症」は、坂道や階段を上ったり、走ったりして体を動かした時(労作時)、または精神的に興奮した時におこる狭心症です。「労作時狭心症」とも呼ばれます。

運動などで心筋がより多くの血液を必要としたとき、血管が狭くなっているため十分な血液が届かず、不足してしまうため胸の痛みを感じます。普通、発作は5分以内におさまります。

2-4. 安静狭心症

寝ているときなどの安静時に突然発作が起きるのが「安静狭心症」です。「安静時狭心症」ともいいます。原因は、で述べる冠攣縮性狭心症であることが一般的です。

2-5. 冠攣縮性かんれんしゅくせい狭心症

冠動脈が急に痙攣して細くなり、血流が不足して胸の痛みが発生するのが「冠攣縮性狭心症」です。飲酒などにより誘発されることもありますが、安静時によく起きます。

そのため、明け方から午前中に起こることが多く、睡眠中にもおこります。発作が数分~15分近く続くことがあります。

冠攣縮かんれんしゅくって何?

一過性に起きる冠動脈のけいれんです。冠攣縮は、心筋梗塞の発症にも関与している病状です。

まとめ

狭心症といっても、いくつもの分類があり、激しく動いたときに発作が起こるものから、安静時に起きるものも。いずれも発作のタイミングなどは違えど「狭心症」と呼ばれる病気です。

狭心症の原因や、症状、特徴などについてはその他の記事でも解説しています。「狭心症の症状、発作のタイミング、なりやすい人の特徴など。」「狭心症の原因とは。発症リスクを高める5つの要因のまとめと詳しい解説」など、こちらもあわせてお読みいただければと思います。

参考文献

  • 「専門医のための循環器病学」医学書院(2014年4月発行)
  • 「内科学 (第11版)」朝倉書店(2017年3月発行)
  • 「病気がみえる vol.2 循環器 第4版」メディックメディア(2017年3月発行)

注意事項

本コンテンツの掲載情報は、医師の診断に代わるものではありません。症状や治療に関しては、必ず主治医の診断を受けてください。

この記事を書いた人

清水 岳

清水 岳

株式会社クオリティー AED事業部 部長 : AEDコム・AEDガイド責任者、AED+心肺蘇生法指導者、高度管理医療機器販売・貸与管理者、防災士、上級救命講習修了。 専門店AEDコムを運営し、日本全国に年間2,000台を販売、導入企業数は11,000社を突破。心肺蘇生ガイドライン、AEDの機器に精通している。

「AEDの使い方の手順」ポスター無料ダウンロードフォーム

CTAの画像

AEDの使い方の手順ポスターを無料で配布しています。
もしもに備え、AEDの設置場所を周知したり、一次救命処置の流れのご確認であったり、AEDの使用方法の確認など、様々な用途にご活用いただけます。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Share